空心菜と豚挽き肉のスープは、私の得意なおかずのひとつ。
具材は別に日本の青菜でも十分に美味しくって、大切なのは味付けの妙。舌先で決めるヌクマムの匙加減と、じゃばっと勢いよく投入する砂糖のバランス。挽きたての黒胡椒も欠かせない。私はこれを「スープにおける黄金比」と呼んでいます。
このスープは、
Mai maiの厨房で働いていた頃に、お客様からのリクエストによって出来上がったもの。お酒の〆になって、野菜をたっぷり食べられて、でもわりにヴォリュームもあるスープ、できますか?確かそんな具合だったと思う。冷蔵庫の中をのぞきこんで、ありあわせの食材を寄せ集めて作ってみたスープも、今ではすっかり殿堂入りを果たしました。
そういえば昔、「自分の皿をたくさん作りなさい」と言われたことがあります。
自分の皿とは、なんて素敵な言葉だろうと思う。ひょんなきっかけで生まれた皿も、いつか生命線のようなものになるのかもしれません。