雨降りが好きなんて、変わってるよねぇ。
親しい友人などは、いつもぶつぶつ呟いているのですが、誰がなんと言おうと私は雨の日が大好きで、梅雨は1年のうちにいちばん心落ち着く季節です。そして同じくらい愛している、夏を待ち焦がれる今日この頃。
なんといっても、蒸し暑くなってくると冷奴が断然美味しいのだもの。 うっすら汗ばむ初夏の夕方には、冷たいビールに薬味たっぷりの冷奴、塩茹でした枝豆(あるいは焼いた空豆)や甘い蒸しとうもろこし、鰹のお刺身なんかがあれば極楽です。
近所に美味しいお豆腐屋があるのだけれど、ここはいつ開いているのかさっぱりわからない、実に摩訶不思議なお店。通りがかりにシャッターが上がっていたら思わず、お豆腐を買わなくちゃ。という衝動に駆られて、すうっと引き寄せられてしまいます。
こちらの「白豆腐」は絶品で、水切りの重石なんてしたら潰れてしまうほど柔らかく儚く繊細、もちろん冷蔵庫へ入れて宵越しにいただくなんてありえない。帰宅するなり青ねぎを刻み、生姜をすりおろして冷奴に仕立て、ビールの王冠をしゅぽっとやって、ふくふくと愉しむためのお豆腐です。
冷奴が美味しいなぁ。
そんなふうにふと気付く頃、私はいつも、大好きな夏の到来を感じるのです。