京都はここ数日、雪がちらつきすっかり冷え込む日々。立春を過ぎたとはいえ、まだまだ春の兆しは遠いようです。
ううーさぶさぶ。と身を震わせ起きた朝には、私はときどき「ブン・ヘン」を作ります。
ブン・ヘンというのは、しじみの出汁をかけて食べる米麺のこと。蒸し焼きにしたしじみ、生野菜とハーブ、それから揚げた豚皮やピーナッツなんかをトッピングして、熱々のスープと一緒にさらさらといただきます。
じゃぶじゃぶ雨が降る肌寒いフエの街角、このブン・ヘンを食べるために早起きしたことも、昨年晩秋のベトナムの思い出。
ペパーミントグリーンの壁に、ばらばらと置かれた低いプラスチック椅子、あらゆるものが手の届く範囲に置かれたキッチン。ローカル気分が居心地の良い店内に身を寄せ、寒さと眠さにぼおっとしながら小さな丼をかっこみ、甘く温かい豆乳を啜って一日の活力源を蓄えました。