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先週末の教室で作った、じゃがいものスープ。ベトナム北部の家庭料理です。
ベトナム料理のスープは、「canh(カイン)」と「sup(スップ)」の2種類にわけられます。
Canhは、ベトナムの食卓ではいつもどっしりした存在感。具がたっぷり入っているから、おかずのひとつとしてきちんと役割を果たし、これだけでごはんを食べる人もいるし、なにはともあれcanhがなければ食事が始まらないとでもいうような、大黒柱のような安心があります。大鉢にどさっと豪快に盛って、具はとり出してタレにつけて別に食べるという離れ技もみせる。
打って変わって、supはごちそうのためのスープ。おもてなし料理の前菜として小さなお椀でサーブされ、なかみにも蟹や魚の胃袋、ホワイトアスパラガスや白きくらげなど、味や見ためにも華やかな具が浮かびます。とろみがついてやわらかい食感なので、こちらはスルスルと啜って食べたいスープです。
日本のかつお昆布だしのように、ベトナムでは家庭料理では特に、あらかじめ別の食材でだしをとっておくということをしません。煮込んだ肉や魚、野菜は、ほとんどすべて具となります。決して繊細な味ではないけれど、いろいろな旨みがまざりあったスープには、体をじんわりと元気にしてくれるおいしさがあります。
スープを煮る日は時間がかかるので、レッスンではいつも、始まったらまず鍋を火にかけてしまいます。ときどき鍋の中をのぞいて面倒をみながら、そのあいまに野菜を切ったり、調味料をまぜてタレを作ったり、まな板やボウルを洗ったり。
レストランのようにできあがりの味だけではなく、作る時間に少しずつ変化していく料理の色や匂いを、生徒さんたちにも味わってほしいなぁと思うのでした。