このあいだ泊めてもらった友人の家で、お邪魔してすぐとかお風呂あがりとか起きぬけとかに、そのたびにキーンと冷えたお茶が出てきました。ペットボトルのお茶なのかと思っていたら、そうではなく、ちゃんと茶葉の入った水筒みたいなのを冷蔵庫から持ってくる。この時期は、毎日きらすことはないのだそうです。
彼女は昔の職場の先輩でお世話になっているし、センスが良くてお洒落ですごいなぁといつも尊敬していたのだけれど、茶渋の染みた瓶の内側を目にした瞬間、ごくありふれた日常を垣間見たような気がした。それでどことなく、ほっとした気分になりました。
それ以来、今夏はお茶をよく飲みます。
そういえば、同じ頃に伺ったある会社でも、氷のたっぷり詰まったガラスポットから、夏らしく冷たい緑茶をいただきました。「親戚のうちみたいですよね」と言われ、ああ、なんか夏休みのおばあちゃんちに来たみたい、と思った記憶があります。
仕事の合間のひと息はたいがいコーヒーだし、夜はお酒を飲むことが多いので、お茶といっても、手軽に水出しの麦茶や烏龍茶を飲んだり、ふと思い立って熱いほうじ茶やジャスミン茶を淹れたりする程度。でも、コーヒーにもお酒にもない、お茶ならではのしみじみした味わいと時間が気に入っています。
特に粗冷ましのお茶を、やかんや急須からガラスコップに注いで飲むのが好きで、これはたぶん、ベトナムであまりの暑さにへたったとき、市場や喫茶店でもらう元気のモトと一緒だからなのだと思います。