これまでで思っていた以上に高揚して、頭がくわっとパンクしそうになっていたので、ハノイではあまりうろうろせず、のんびり過ごすことに決めました。ハノイの街並みは、まだまだ植民地時代の古めかしい面影をとどめていて、なんとなく1月に行ったパリを思い出しました。
暮れなずむホアン・キエム湖。滞在中の3日間、夕方になると散歩をしました。おばちゃんがくねくねオリジナル体操をしていたり、女の子達が楽しそうにお喋りをしていたり、真面目にジョギングしている人もたくさんいた。それに柄シャツのおばあちゃんとか、ハンチング帽のおじいちゃんとか、お年寄りの格好良い場所だよなぁともいつも思う。
ベトナム8日目の夜は、焼き鳥を食べる。ハノイには、焼き鳥屋のずらっと並んだ地元でも有名な通りがあります。
メニューはだいたいどこも同じ。もも肉、足、砂ずりなどをひとしきり頼んだあと、ほくほくのじゃがいも串とか、ハチミツをからめた炙りフランスパンなんかを食べました。生ビールはきちんと冷たくて美味しかったし、4人でたらふく食べても4000円くらい。旨くて安い大衆料理のスタンダード、ここにありき。
ベトナム滞在の最終日は、
TMトラベルの吉本真知子さんにお連れいただき、旧市街のビーフステーキ屋へ。料理も店の雰囲気も、ここはとても好きだなぁとしみじみ思う。
外国の食べものを上手に取り入れて、自分たちのごはんへすんなり溶け合わせてしまう。このベトナム料理独特の感じは、昔から私が魅了される所以のひとつです。
ステーキには、エシャロットやにんにくをたっぷりと刻んで入れたソースがかかっているし、フライドポテトもカリカリで美味しい。でも、やっぱりどこか垢抜けないベトナム料理、なところが。
レバーパテも、八角がぷんぷん香るアジア風。真知子さんは旦那様のために、パテをテイクアウトしていた。この食事のあと、お2人に見送られて帰路に着きました。
さて。こんなふうに味わい深い10日間でしたが、旅のなかで気がついた良いことは、これから料理教室や私の台所で、どんどんお届けしていけるように頑張りたいと思います。