ベトナム中部旅行における、心強い食の案内人をご紹介しましょう。
昨年の滞在でもお世話になった、
ミーハイ・ツアーの隅野史郎氏。
ベトナム料理ってそんなに旨くないよ、ほんと。とか、ここにはハイネケンくらいしか飲めるビールがないよねぇ。とかぶつぶつこぼしているわりに、市場に並ぶ鮮魚の種類をぴたりと言い当てたり、渋いローカル酒場に精通していたりと、なかなかどうして素敵な方なのです。
そんなナビゲーターをお供に、今回何よりも思い出深かった食の記憶は、Cao lau(カオ・ラウ)の製麺工場を訪れたこと。
カオ・ラウはホイアンの名物麺で、米麺を煮豚、もやしや生野菜、香草なんかとざっくり合わせ、甘辛い煮豚のタレを絡め、カリカリと香ばしいあられをトッピングしていただきます。寸胴で茶色を帯びたコシの強い麺は、ホイアンの水でしか作ることができないと言われている、昔ながらの郷土料理です。
製麺工場で、蒸したてのカオ・ラウを食べましょう!
この一言で決まったホイアンでの試みは、麺をちょこんとつまみ食いするのではなく、きちんと一品に仕上げていただこうという大胆なもの。もちろん工場には「麺」しか用意されていないので、「汁」と「具」を持参しなければいけません。
町のカオ・ラウ屋台から、「麺なし」でテイクアウトしちゃったら良いのではないかしら。という私のアイディアを、史郎さんに手早く勇ましく実行していただき、あっというまに「汁」と「具」をゲットしてしまいました。
こちらが念願の、「蒸したてカオ・ラウ弁当」。
焦げるような太陽の下、即席の青空食堂でいただく名物料理。
ほかほかと温かく、もっちりとお餅のように柔らかなカオ・ラウは、小洒落たレストランの皿など軽く一蹴する、素晴らしいご馳走と相成りました。
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