1月のベトナム旅行には、珍しく同行者がいます。4年前に初めてサイゴンを訪れた私の母は、それからずっと、ハノイへも行ってみたいわぁ。と目を輝かせていました。そんな彼女との親子旅です。
ハノイといえば、私は6年前に訪れたきり。いつだって湿度が高いという絶対的な安心感と(蒸し暑い気候が肌に合う体質)、食事の味付けの好みから、どうしたっていつも南部地方へ足を運んでしまいがちでした。
これは料理教室でもお話していることですが、ひとくちにベトナム料理といっても、ベトナムには様々な地方料理が息づいています。
首都ハノイを中心とした北部地方、肥沃なメコンデルタの恵みを受ける南部地方、その中間に位置する厳しい気候の中部地方。食材から味付けに至るまで、その違いは本当にくっきりとしていて、難儀なことにどの地方においても、自分のところが断然旨いと主張してききません。
私は南の甘く濃厚な味付けが大好きだけれど、ここ最近、北部でしか美味しく食べられないものって実は結構あるんじゃないか。ととみに思う。
ところで先日、ハノイから戻ってきたばかりの足立さん(「ベトナム屋台食堂・マイマイ」店主)と電話で喋っていたときのこと。
「あゆちゃん、ハノイには美味しい地酒のお店があるの。焼き鳥でもつまんで、そのあとお母さんと地酒を飲みに行ったらいいわ」ときっぱり。何を隠そう、足立さんは貴重なベトナム酒飲み仲間なのです(周囲のベトナム料理関係者にはなぜか酒飲みが少ない。としょっちゅう2人で嘆いては、グラスを傾けている)。
有名なフォー屋とか、珍しい北部名物料理とかでもない。さすがというかやっぱりというか、実にツボを得た現地情報を提供していただきました。