今週末より料理教室が始まります。
生徒さんたちと囲む食卓として、今やベトナムよりもベトナムらしい料理屋「マイマイ」より、もうすぐ現地調達の素敵なテーブルが届きます。Nam Boのベトナムごはんには、やっぱりこれがいちばん似合うと思う。
こんなふうにレトロでカラフルな模様に心躍る、ベトナム製簡易テーブル。現地の路上食堂では、お客が増えたって全然平気とばかりに、折りたたみの食卓が大活躍しています。
いいなぁこれ。と思わず立ち止まらずにはいられないベトナムの大衆雑貨たちは、しかし現地においてどんどん消え去る運命にあります。簡易テーブルをはじめ、まあるい素朴なフォルムをした花柄の食器、薄っぺらく軽いアルミ製のスプーンにフォーク、ほんのり青みを帯びた再生硝子のグラス。微妙な色合いを主張するプラスチック椅子。例えば市場の食堂で、道端の店先で、田舎町の金物屋でさえも。
「さようなら古い生活!ようこそ新しい生活!」とばかりに、近代的でシンプルかつ丈夫なものばかりが、スーパーの日用品売り場へ普及していきます。一度市場から姿を消してしまった、魅力的な模様のあのテーブルや食器には、もう出会うことはできないのかしら。ベトナムにおける日用雑貨の目覚ましい進歩は、現地へ訪れるたびに私を落胆させます。
でもそれはやっぱり、先に発展を遂げた国から来た旅人の、贅沢な悩みなのかもしれません。