昨日の夜、友人が御飯を作りに来てくれました。
「蟹のカレー炒め」という美味しいタイ料理があって、それを教えてもらう約束だったのでした。私がちょこちょこ仕込んだベトナムごはんを加え、夏らしくアジア一色に染まるか。と思いきや、突如友人が次々と購入した不思議な食材たち、それから冷蔵庫の残り物などによって、なんとも奔放な食卓に。
なかでも、いちばん珍妙だったのはこれ。まぐろの目玉。思わず写真に撮ってしまったけれど、とてもとてもグロテスク。私が「ひゃあ」とか「うー」とか叫んでるあいだに、4つのうるうるした瞳は、こんがりと香ばしい塩焼きに。
しかし初体験の食材は、いつだってスペシャルで素晴らしい。ビールと美味しくいただきました。
こちらは、本命の炒め物を調理中。蟹ではなく海老を使いました。
ちょっぴりスパイシィなカレーソース、とろとろの卵は絶品で、そこへ上手に絡まっているぷりっとした大ぶりの天然海老。最後の最後に残る汁にまで、海の旨味がたっぷりと。ああ御飯にかけて食べたい!とじたばたしたくなる、非常に好みの贅沢な一品です。私のフィルターを通すと、さてどんな皿にできあがるのか、もっか復習が楽しみなところ。
食べものや料理を素直に愛している人と一緒にいると、気持ちがぴりっと引き締まり、頭や胸のなかを、心地の良い風がすうっと吹き抜けてゆきます。職場においても、プライベートの場においても、そういう時間は大切にしたいもの。自分に必要なものや知らなかったことが、そこからひょいと見つかったりもするから。
目玉はやっぱり怖かったけれど、旨いものしか料理しないよ。という昨夜のシェフに、私は改めて尊敬の眼差しを送ったのでした。