近所の八百屋さんで、紅玉が4個で袋詰めの安売り。
割ってまんなかに蜜がたっぷりつまっている甘いのよりも、小ぶりできゅっと酸っぱいりんごが好みです。朝のりんごは金、1日1個で医者を遠ざける、とは言い得て妙。仲秋から冬へのおいしいあいだは見かけるたび、朝ごはんにちょうどよさそう、とまよわず手を出してしまう。
子供の頃は、色どめに塩水につけたりんごがしょっぱくてちょっと苦手でした。だから、今でも切ったら切りっぱなし。薄く赤みがかった色白自慢が、切ったそばからまだらに茶色くそまっていきます。でも、あらゆる素材には、白くないからこその綺麗さと味わいもあるような。
りんごといえば、母のおやつです。
皮ごと薄切りにしたりんごとさつまいも、干しぶどうをボウルに混ぜ合わせ、砂糖とシナモンパウダーをふりかけて、電子レンジでチンするだけ。あればラム酒やブランデーをふりかけてもいい。あたたかくても冷たくてもおいしいから、お弁当のすみに入っていたこともよくありました。
これは、そのまま食べるのに飽きてくると、私もよく作る慣れた味。
お菓子作りには身構えるけれど、オーブンに放りこんで待つくらいならできるやろうと、今年は焼きりんごに挑みました。りんごの皮を薄くむくなんてまっぴらごめんの私には、おおらかな母のおやつと、焼きりんごはちょうどいい。
りんごに手を出せるあいだは、ふだん荒っぽい台所にも甘い匂いが漂って、換気扇から吹き出ていく風だけは色気づきます。冬の到来も、すぐそこ。
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