先日、教室の生徒さんたちと一緒に
「ベトナム屋DZO!」へ行きました。
教室の時間に、おいしいベトナム料理屋を教えてください、と聞かれることがよくあります。私が教えるなんてそんなそんな…と恐縮しながらも、本当のところは、コソコソと少し後ろめたい気持ち。
というのは、年に2度、飛行機でひとっ飛びして現地で食べる味と、あとはうちで自分で作って食べている味。それがいちばん自由で気楽で、美味とか特別とか贔屓という次元とは別のところにある、「おいしい」味。肌にスルスルと慣れ親しんだふとんみたいに、ベトナム料理は自分にとって、わざわざな感じのないほうが安心できる、というのが本音です。
でも、そんな怠惰な心情もあっさりと覆される店があって、「DZO!」もそんな1軒です。
なにが特別かというと、現地さながらの香りと熱。それから、ピシッとした空気。店内に漂う雰囲気はゆるくても、キッチンから伝わってくる空気には緊張感があるのです。その緊張感は、旅先で感じる活気にもちょっと似ていると思う。
料理写真をほとんど撮り忘れましたが、一部回想。
スペアリブの甘酢炒め。ベトナムでも日本でも、ビール片手に大好物の1品。
サンマのレモングラス風味焼き。日本の食材をごく自然に調和させるところが、こちらの料理人の得手かなぁと思う。
デザートまでぬかりなく、たっぷり。かぼちゃのチェーやベトナムプリン、自家製アイスクリームなど。
ごちそうさまでした、ああおいしかった。思わず、ドンで支払ってもいいんじゃないか、という気になって、なるほどそういうベトナム料理屋がもっとできればいいんやな、と我ながらの思いつきに関心しました。
そんな店をあとにする夜は、肌寒い雨にも感謝がつのります。