今月の料理教室で作っている、タイのカレーラーメン。
タイの北部、チェンマイを旅しているときに感銘を受けた1皿です。味に感動したのはもちろんですが、それ以上に印象に残っているのは、店のおじさんがオーダーが入るごとに1杯ずつ、とても時間をかけて丁寧に作っていたこと。しあげのココナッツミルクをツーとまわしかける仕草に、目をみはるほどの集中力を感じたこと。そしてお客さんが席を立つたびに、いちいち仕事する手を止めて「ありがとうございます」と深く頭を下げていたこと。旅行中につけていた日記にはただ一言、「いいなぁ、ここの麺」とありました。
旅先で紙としていただくレシピもたくさんありますが、どちらかというと自分で書き流したメモのほうが、日本にもどってきて料理するとき私には役立つようです。「どんな料理やったっけ」と見返してみても、およそ料理人とはいえないような抽象的な殴り書きと絵ばかりですが、そこから生まれるものが自分の味なんかなぁと、近頃はふと思ったり。